1. はじめに ― ジャングリア沖縄とは何者か?
2025年7月25日、沖縄県北部にオープンした大型ネイチャー・テーマパーク「ジャングリア沖縄」。
数億円規模の投資を背景に、手付かずの森と最先端テクノロジーを組み合わせたアトラクションを展開しています。開業当日には早朝から来場列ができ、家族連れやインフルエンサーをはじめ約500名が詰めかけるほどの注目を集めました。
プロジェクトを率いるのは、USJ再建や「イマーシブフォート東京」(2024年3月開業)の立ち上げで知られる森岡毅(もりおか・つよし)氏。彼が手がけるテーマパークは、物語世界への没入体験を強みに、国内外のマーケターや旅行好きから高い期待を寄せられています。
本記事では、そのジャングリア沖縄のマーケティング戦略を、特に「LINE公式アカウント」の活用にフォーカスして詳しく紐解きます。SNSと連携した最新集客手法を、ぜひ自社施策の参考にしてください。
▼解説動画
・そのまま使える! 公式LINEリッチメッセージテンプレート集
・公式LINEで使える!超おすすめ便利ツール20選+おまけ2選
・コピペでOK!公式LINEリッチメニューテンプレート30種類以上
・今すぐ使える!友だち登録特典の事例8選
・誰でもカンタン!友だち登録特典の作り方7選
2. LINEが主戦場になる理由 ― 国内SNS事情と旅行導線
日本国内におけるSNS利用状況を見ると、LINEは月間アクティブユーザー数が9,800万人を超える“国民的アプリ”です。
- 友だち登録やメッセージ配信を通じて、ユーザーのスマホ画面に直接情報を届けられる
- 旅行前の計画段階から、現地での待ち時間情報・電子チケット、事後アンケートまで一貫して担える
ジャングリア沖縄では、LINEを起点にチケット販売・アプリダウンロード・リマインド配信を行い、来場前から当日、さらに来場後のフォローまでをカバー。SNS上の話題化からWeb予約へ自然に誘導する設計が特徴です。
3. 公式LINEアカウント徹底解剖
3-1. 友だち数の推移
- 2025年3月20日:2万7,395人
- 2025年7月25日:4万4,403人
4ヶ月で約1万7,000人増。月平均4,000人(=1日130人)ずつ着実に増加しています。
3-2. プロフィール&リッチメニュー設計
- プロフィール画像:ジャングリアのロゴ&メインビジュアル
- リッチメニュー:
- 上段「アプリダウンロード/チケット購入」
- 左下「アクセス/予約方法」
- 右上「事前準備ガイド(FAQ)」
- 右下「体験紹介」
→ 最重要CTA(Call To Action:行動喚起)は「アプリDL」「チケット購入」に集中。
3-3. 配信パターン
- 月1回の定期配信(毎月25日前後):チケット発売開始・見どころ紹介など
- 直前リマインド:
- 30日前:プレミアムパス・ディナー予約開始
- 14日前:直行バス予約
- 1日前:公式ムービー初公開
3-4. 一斉配信型で拡張ツール未導入の根拠
LINE公式アカウントには「セグメント配信」や「1:1チャット」機能を強化する拡張ツールが存在しますが、ジャングリア沖縄では標準機能の一斉配信のみで運用。
- メッセージリンク先はほとんどが自社Webサイトやアプリダウンロードページ
- 個別タグ付けや属性別配信の痕跡が見られない
→ 開業期の情報拡散と導線集中にリソースを絞った合理的な判断といえます。
4. Instagram・X・YouTubeとのクロスチャネル連携
- Instagram
- フォロワー数:9.1万人(2025年7月25日時点)
- 主にビジュアル訴求(写真/ショート動画)で興味喚起
- 投稿内CTAで「LINE友だち追加」を誘導(約半年に1回程度の告知)
- X(旧Twitter)
- 最新ニュースや限定クーポン配布
- 即時性を活かし、トレンドハッシュタグと連動して話題化
- YouTube
- メディア露出番組やインフルエンサー体験動画(例:HIKAKINさんの「2日間遊び尽くし」)など
これら各チャネルを“認知”→“興味”→“行動”のファネルに従って組み合わせることで、LINEへの流入と最終的なチケット購入・アプリダウンロードにつなげています。
5. LINEで“やることを絞る”戦術
ジャングリア沖縄のLINE公式アカウント運用は非常に明確な目的設定のもとで行われています。
- アプリダウンロード
- 館内マップ、待ち時間表示、電子チケットを提供
- チケット/オプション販売
- 通常チケット、プレミアムパス、バス・ディナー予約 など
これら2つにリソースを集中し、「余計な機能は使わない=ユーザーの迷いを排除する」シンプルさが逆に高い効果を生んでいます。
6. なぜ高度なセグメント配信を使わないのか ― 開業フェーズの合理性
テーマパークの開業直後は、とにかく短期間で大量の認知拡大と予約獲得が最優先。
- 属性ごとの緻密なメッセージよりも、まずは全ターゲットへ一斉に「情報を届ける」ことが重要
- ユーザー属性データをアプリ側に集中管理し、リピーター向けセグメントは次フェーズで実施
結果として、LINEは「広報・告知」の役割に特化し、顧客関係管理(CRM)は自社アプリに集約する構造をとっています。
7. 今後の伸びしろと提案
- 購入済みタグ付け→来園前日リマインド
- チケット購入ユーザーをセグメント化し、当日ルート案内や混雑予報を自動配信
- ファミリー・カップル別パーソナライズ
- 同伴人数や予約種別に応じたおすすめアトラクション紹介
- チャットボット導入
- リアルタイムの問い合わせ対応でコールセンター負荷を軽減
- 来園後アンケート→NPS連動リターゲティング
- 満足度調査結果をもとに、次回割引クーポンや新イベント案内を自動送信
これらを実装すれば、開業フェーズから次の“育成フェーズ”への移行がスムーズになり、LTV(顧客生涯価値)の最大化につながります。
8. まとめ ― LINEは入口、アプリが主戦場モデル
- マス広告・SNS話題化 → 2. LINE公式一斉配信 → 3. 自社アプリ&ECへ収束 というファネルは、今後の大型施設マーケティングの標準モデルと言えます。
- 開業期は「認知拡大・導線集中」に投資し、成熟期には「セグメント配信・CRM深化」にシフトするという、投資配分のフェーズ設計が鍵。
- ユーザーのスマホ上で完結する動線設計は、体験価値の向上にも寄与し、SNS上での好循環的な口コミを生み出します。
ジャングリア沖縄の事例は、まさに「テック選択と投資配分」を最適化した好例。自社プロジェクトでも、ぜひこの戦略構造を応用してみてください。最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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